近年、美容健康産業は急速に発展していますが、一方で様々な問題をかかえ、厚生労働省でも、発生するトラブル対策として専門医との提携指導を検討しています。日本美容健康医療協会は、美容健康産業の秩序確立に寄与するため、全国の医師の集まりである日本美容健康医療学会の下部団体として設立されました。
今回は平成8年の発足以来、日本美容健康医療協会の理事を務め、協会認定医としてもご活躍の国際美容外科院長で、医学博士の荒木義雄先生に、日本美容健康医療協会の活動についてお話を伺いました。
(聞き手・レポーター/井上 恭子)
必要なトラブル対策とは?!
●まず、日本美容健康医療協会の日常の活動からお教えください。
「協会も発足して12年になりますが、簡単に言えば、エステティックサロンのオーナーや従業員の皆さんがどんなことで悩んでいるか、また困っているのかを常に把握し、適切にサポートしています。
協会員であるエステティックの皆さん一店一店のサロン運営がしやすいように、バックアップ体制をとっているということです」
●具体的にどんなサポートをされているのですか?
「最も相談件数が多いのは、施術後のトラブルなんですが、協会員であるエステティックサロンのお客様に何らかのトラブルが発生した場合には、エステティックサロンの立場にも立って、公平に診察および治療を行え、信頼できる全国各地の協会認定医をご紹介します。
また、お客様が施術中に何らかのトラブルになり、専門医の意見や診察が必要になる場合にも協会員であるエステティックサロンをフォローする処理や対応を行います」
●それはいいですね。実はまだまだ信頼できる医療機関との連携が出来ていないエステティックサロンも多いですよね。
「だからこそ、私たちもエステティックサロンとお客様の両者が納得していただける、しかも満足いく治療を行うように心がけています。
医療的なトラブルに対してのアドバイスも常時行っていますが、急いで返事が欲しいというお客様の場合には、メールやFAXでご連絡頂ければ私たち全国各地の協会認定医がオンラインで診察しています」
●それは大変心強いですね。患者であるお客様との間に安心と信頼が確立されますね。
「エステティックサロンのお客様は、老若男女いろんな方がおいでになるから当然です。今日では、人々の美や健康に対する意識が高まったと同時に、一人ひとりが美や健康に対する多量な情報を持つことができるようになりましたよね。
小さなトラブルも軽視してはいけません。いったんトラブルが起きた時に、それぞれのエステティックサロンがお客様に対してどのように対応できるかが問われる時代になっているのです」
エステティシャン教育の大切さ!
●エステティック業界は今や激戦で、エステティシャンの教育も大切だと思います。エステティシャンの教育に対してのアドバイスを頂けるとありがたいですね・・・。
「エステティシャンの技術向上に対するアドバイスは、すでに協会の活動として実施しています。美容医療の観点から見れば、安全に施術をし、あらゆる年代の人々に心身ともに美しくあって欲しいとの願いを持つのは、美容に携わる者なら同じです。
その思いをどれだけお客様に与えることができるかが重要だと思います。だからこそ、エステティシャンの皆さんには、より一層の日々の努力と研究をして欲しいですね」
●よくわかります。厳しい世情だからこそ、より確かな技術や信頼、安心感が大切なんですよね。
「それが厳しい中でも生き残っていく戦略の一つだと思っています。私たちはそのお手伝いをする。美容健康産業界のこれからの飛躍のために、認定医医師団も結束して協会の活動に積極的に取り組んでいます。
何よりもお客様が安心して、美しくなっていただける環境作りが大事なんです。だからこそ、エステティックサロンの経営でも、安心と信頼が顧客獲得の面で非常に重要になってくると思います」
●日本美容健康医療協会は、エステ業界の強い味方なんですね。
「当協会は発足以来この12年間、多くのエステティックサロンのオーナーや従業員の皆さんの協力で運営されてきました。
サロン経営で最も大切な『安心』と『信頼』が得られるのですから、まだ未加入のサロンオーナーや従業員の皆さんに、もっともっと当協会の活動を知っていただき、協会への質問やアドバイスを積極的に活用して欲しいですね」
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